GeoHexのライセンス

 こんばんは。那由多屋の加藤です。

 GeoHexのライセンスについて少し思うところがあったのでメモ。

twitterでの会話

 先日、GeoHexに関して下記のようなツイートをしたら、作者の@sa2daさんよりツイートを頂きました。

#geohex を使ってみたいけれど、ライセンスがイマイチわからない。プログラムにCCを適用するとどうなるのだろう・・・?
http://twitter.com/#!/nayutaya/status/106012208974147587

 このツイートに対する@sa2daさんからのツイートは下記の通り。

@nayutaya geogames.net をご覧ください。簡単にお伝えしますと、コンテンツ全体にかかるGPLとご理解下さい。
http://twitter.com/#!/sa2da/status/106165442816643072

 せっかくツイート頂いたので、疑問をぶつけてみた。

@sa2da ご返信ありがとうございます!お教え頂いたページは一通り目を通していたのですが、それでも理解できなかったのです…
http://twitter.com/#!/nayutaya/status/106180769281605632

@sa2da 疑問1:CCライセンスのオブジェクト(例えば*.so)と非CCライセンスのオブジェクトをリンクすると、生成物はCCライセンスになるのでしょうか?
http://twitter.com/#!/nayutaya/status/106181523983695872

@sa2da 疑問2:CCライセンスの創作物1から派生した創作物2(非公開)があり、創作物2から派生した創作物3を公開した場合、創作物2に公開義務が生じるのでしょうか?
http://twitter.com/#!/nayutaya/status/106182415961161728

@sa2da 疑問1が真(CCライセンスになる)ならば、CCライセンス以外のものと混ぜることはできなくなり、一般的なソフトウェア開発ではすべてライセンス違反になりそうです。
http://twitter.com/#!/nayutaya/status/106183116829360129

@sa2da 疑問2が真(創作物2に公開義務が生じる)ならば、中間生成物をすべて公開しないといけないことになり、CCというライセンス自体に不具合が内在している気がします。(こちらはちょっと調べてみます)
http://twitter.com/#!/nayutaya/status/106183773372162048

@sa2da お暇な時にでも、考えをお聞かせ願えると幸いです。
http://twitter.com/#!/nayutaya/status/106184148871430145

@sa2da 言い忘れていましたが、 #geohex はとても素晴らしい発想&素敵な技術だと思っています!正直、感動しました。
http://twitter.com/#!/nayutaya/status/106184829925732352

 連続7ツイート(笑)。再び@sa2daさんより返信を頂きました。

@nayutaya 2)の非公開な第二生成物は無く、N次創作まですべてオープン性を継承することを意図してCCライセンスを採用しました。
http://twitter.com/#!/sa2da/status/106184623704391681

@nayutaya ありがとうございます!クローズドに採用される場合は、別途ライセンスをご提供させて頂いております。大枠の意図はお伝えした通りで、後は専門的な皆様からのフィードバックを元に検討させて頂いております。
http://twitter.com/#!/sa2da/status/106185639950692352

そもそもCCライセンスとは何か?

 せっかくなので、CCライセンスについて再度勉強してみました。creative commons JAPANのページより引用します。

クリエイティブ・コモンズ・ライセンスとは
クリエイティブ・コモンズとは、クリエイティブ・コモンズ・ライセンス(CCライセンス)を提供している国際的非営利組織とそのプロジェクトの総称です。CCライセンスはインターネット時代のための新しい著作権ルールの普及を目指し、様々な作品の作者が自ら「この条件を守れば私の作品を自由に使って良いですよ」という意思表示をするためのツールです。CCライセンスを利用することで、作者は著作権を保持したまま作品を自由に流通させることができ、受け手はライセンス条件の範囲内で再配布やリミックスなどをすることができます。
http://creativecommons.jp/licenses/
licensed under a Creative Commons 表示 2.1 日本 License.

そして徒然たるままに

 GeoHexのサイトや@sa2daさんのツイートを見る限り、現状ではGeoHexという発想(発明)と、その実装(表現)の両方に対してCCライセンスが適用されていると認識しています。また、著作権などで保護される「表現」と、特許権などで保護される「発明」は別に考える必要がある、と思っています。

 それを踏まえて、思ったことを徒然たるままに。

  • CCライセンスは、作品の公開、実演などに際して効果を発揮し、表現の保護が対象であると理解しています。そのため、発想の保護、コントロールには向かないのではないか。
  • @sa2daさん自身も過去に述べられている様に、CCライセンスの主な対象は画像、動画、音楽などであり、ソフトウェアは明確に「適さない」とされています。そのため、ソフトウェアという表現の保護にも向かないと考えています。
  • 例えばBY-SA(表示、継承)のCCライセンスが適用された画像単体から新たな創作物を生成するのは容易ですが、ソフトウェアの場合、他に必要とするものが多すぎるため、二次創作はかなり困難ではないか。
    • 多くのライブラリなどはGPLライセンスLGPLライセンス、Apacheライセンス、MITライセンスなどが適用されており、CCライセンスのソフトウェアと組み合わせることができない。
    • geogames.netで例示されているGoogle Maps APIすら使うことができない。
  • CCライセンスを適用しても、二次創作物の公開を強制することはできないのではないか。
  • GeoHex V3公開しました。」という記事には、使用にあたっての条件が列挙されており、それはCCの精神に反するのではないか。
  • ライセンス不整合の問題でCCライセンス下での使用は困難なので、ほとんどは個別ライセンスになってしまうのではないか。
    • それがGeoHexの普及、発展を阻害してしまうのではないか。
  • ライセンスの変更は一般的に遡及しない。
    • geogames.netの下記の記述はCCライセンスの精神に反し、利用者はリスクを敬遠するのではないか。
    • 「GeoHexを利用している全てのプログラムやそのライブラリを利用しているサービスは、いずれもGeoHex.netの最新の規約に準拠していただくようお願いします。」
    • クリエイティブ・コモンズ・ライセンスのFAQにも「ライセンスを変更したい場合はどうしたらよいでしょうか。」として関連の記述あり。
  • 提案。GeoHexの仕様の記述と、その実装で異なるライセンスを採用してはどうか。

 と、いろいろライセンスについて考えていたら、GeoHexとは異なるけれど、自分の用途に合いそうなジオコードを思い付いたので、思考停止(笑)。時間を作って実装しよう。